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Googleの人工知能が囲碁のトッププレイヤーに勝利した!!

今日は,2016年にDeep mind社が開発したAlphaGo Zero囲碁のトッププレイヤーを上回ったことについてお話ししたいと思います.2016年当時は囲碁などのゲームで革新的なブレークスルーが起こったと注目されましたが,現在(2020年)では,人工知能が実際のビジネスシーンで膨大なデータからビジネスチャンスに繋げるために必要不可欠になってきました.私は,囲碁について詳しくないので,大量のデータを分析する能力が実社会でどういう風に活かせるのかという観点でお話しします.

www.wired.com www.nature.com

なぜ,囲碁でコンピュータが人間を上回ったことに大きな注目が集まったのか,理由は以下です.

  1. 深層学習(ディープラーニング)を使って過去の膨大な対局データ(棋譜)を処理し,データの中にある構造的洞察を人間のように「直観的に」判断できる.そして,人間の専門家よりもはるかに効率的な方法で表示できる.

  2. 強化学習や従来の探索アルゴリズムを組み合わせて,AI同士(人間のデータではなく!)を競わせより良い戦略を探す能力を向上させた.

他にも理由はありますが,囲碁というゲームを通してコンピュータの処理能力が圧倒的に向上し,人間が予測できないくらい膨大なデータから有用な情報を取得することができるようになったことがおわかりいただけたと思います.

囲碁ってどれくらい難しいの?

囲碁はオセロやチェスと比べると格段に難しい問題です.なぜなら,囲碁の盤面は19x19と非常に大きく,コンピュータが大量の組み合わせパターンで最善手を探し出すという方法は,現状ではどんなにパワフルなコンピュータであってもできません.余談ですが,1997年にIBMのDeep Blueは,当時のチェス(チェスの盤面は8x8)のトッププレイヤーに勝利しましたが,コンピュータが大量の組み合わせパターンから最善手を探し出すというアプローチで挑戦し,あまりの計算量から計算中に火を吹いたのは有名な話です. IBM100 - Deep Blue

AlphaGo Zeroの説明

AlphaGo Zeroを開発したDeep mind社の記事によると以下のように説明されています.

https://www.youtube.com/watch?v=WXHFqTvfFSw&feature=youtu.be

AlphaGo Zeroが独自の教師になるという新しい形の強化学習を使用することで実現できます.システムは,囲碁のゲームについて何も知らないニューラルネットワークから始まります.次に,このニューラルネットワークを強力な検索アルゴリズムと組み合わせることにより,それ自体に対してゲームをプレイします.プレイ中,ニューラルネットワークは,動きを予測し,最終的にゲームの勝者を予測するように調整および更新されます.

私たちの生活にこの技術はどう役立つの?

囲碁やチェスでコンピュータが人間に勝ったところでビジネスに役に立たないと考えるビジネスパーソンも多いと思います.AlphaGo Zeroは大量のデータがあり構造化された問題を解決するために重要なステップです.例えば,エネルギー消費の削減,革新的な新材料の探索,新しい新薬の効率的な開発など,他の構造化された問題に同様の手法を適用できれば,画期的な成果は社会に良い影響を与える可能性があります.